SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

“ バチッ……ジジ……!”


青白い電気がほとばしる。

中の世界に歪みが生じ、ノイズのような音が鳴る。連動して他のドームも歪み始めた……

その時、


「——ガアッ!」


突如男が現れた。
髪の白い男、肌も病的に青白い……


「……っ、」


おそらくこれらの世界を創り出しているその男の出現により、風圧で体が飛ばされる。

あたしはドームから遠ざけられた……


「……! おまえはっ、」


確かめるようにこっちを見た後、男はハッと息をのむ。


「バカなっ……生きていたのかCKー1!」


驚きの声を響かせた。


「生きてたけど、悪い?」


「……っ、」


「決着をつけにきた。お父さんとお母さん、実験台にされた子供たち、透と薫、みんなの仇、今度こそあたしが……」


そう言うと男は不快な顔をする。


《……おいっ! CKー1だ! CKー1が生きているぞ!》


そこだけマイクを使ったような声が大きく反響した。
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