心外だな-だって世界はこんなにも-
「どうして……どうしてそうやって見つけるかな……。」
「なんだよ? いらなかったのか? いらないならモハメド・アリの真似をして、川に投げ捨ててもいいんだぞ?」
「そんなこと……できるわけないじゃん! こんなにボロボロになって探してくれたのに……。」
祭にスマホを手渡した。受け取った祭が電源ボタンを長押しするが、さすがに電源は点かなかった。
「充電、切れてるね……。」
「そんなもんだろ。スマホってすぐ充電なくなるから。」
「でも、これじゃ便利になったんだか、不便になったんだかわからないね。」