心外だな-だって世界はこんなにも-
太陽はこんなに眩しかったのか。
当たり前にほんの少しの感動を覚えながら、バスに乗る。思えばこのバス、確か一番後ろの座席カバーに黒マジックペンで落書きがあるはずなのだ。
この辺りに……あった。
まさかまだ残っているなんて思わなかった。そして、本当にそこにあるなんて思ってもみなかった。
ただ、そんな嘘をついても誰の得にもならない。
私は受け入れ、黒マジックの落書きを、人差し指でなぞった。バスが揺れる。上手くなぞれない。すぐに辞めた。