彼の瞳に独占されています
デートの時も、ベッドの上でも、リードしてくれる彼といるのはとても幸せだ。

今年の春から付き合い始めて、まだ約三ヶ月。仕事が忙しいせいでなかなか会えないけれど、きっとこれから時間をかけて愛を育んでいける。

そしていつかは、結婚だって視野に入れて……。

そんな幸せな未来を夢見ながら、今夜も身体を重ね合わせたというのに。



「俺さ、結婚することにした」


裸のままベッドの上で煙草をふかす浮名さんからの突然の告白で、甘い余韻に浸っていた私はぽかんとする。


「け……けっ、こん?」


うそ……まさか、もう私と結婚する気に!?

驚きで目を開き、気だるさが残っているにもかかわらず上体をガバッと起こした。隣の彼は、優しい手つきで私の頭をそっと撫でる。


「あぁ。だから、俺達もう今日で最後にしよう。ごめんな、萌ちゃん」

「え?」


……ちょっと待って。何で最後になるわけ!?

意味がわからず、マヌケだろう顔で唖然とする私に、浮名さんはキョトンとした笑みを浮かべて、さらりとこう言った。


「あれ、忘れた? 俺、萌ちゃんとセフレになる時に彼女いるって言ったよね?」

「……はぁぁ~~っ!?」


──青天のへきれき。……寝耳に水!

いつそんなこと言ったーー!?

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