雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「せめて名前くらいは訊かないと、ね?」


「だから、そん時におめーが呼ぶから!」


「俺のせいにすんな」


「なんだよ、もーっ!」


 わしゃわしゃと頭を掻きむしる新太。確かにその通りだ。せめて名前くらい訊いておけば良かったと後悔が押し寄せる。


 思い浮かぶのは彼女の完璧なファッション。驚いた表情と大きな瞳。整った綺麗な顔。


「もしエビ高だって事が確実なんだったらさ、探せばいいじゃん」


「探すって? どうやって」


「それは自分で考えろ」


 ガックリと肩を落としながらも、新太は絶対に見つけてみせる、と心に誓っていた。
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