雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「ちょっといいヤツだと思った俺がバカだった。騙された」


「さっきから意味わかんねぇ」


「俺もわかんねーよ」


「なんだそれ?」


「とにかくムカつくんだよ!」


 功は苛立ちをぶつけるように、近くにあった椅子をガン、と蹴り飛ばした。その音に教室内の生徒達が驚いて、一斉に功の方を見る。


「八つ当たりすんなって」


 匡にたしなめられた功は、無言で教室を出て行った。一瞬、シンと静まり返ったものの、室内はまた昼休みの喧騒に戻る。


「なんなの、あいつ?」


「びっくりした……」

 
 そこにいた萌果と伊万里も、驚いていた。普段は穏やかに笑っているのに、態度が急変して先ほどのように物に当たったりする。萌果は二重人格だと揶揄していた。
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