雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
 一日の練習が終わり、千咲希がスマホを確認すると、穂香からLINEが届いた。

《千咲希〜! 九条に会いたい……ツライ》
 
 正直な穂香の気持ちが可愛らしくて、千咲希は思わず笑みをこぼす。

《会いに行けば? バイト先、知ってるんでしょ?》

《簡単に言わないでよ〜! シフト入ってるかわかんないし、もしいたとしても、何話していいかわかんないよ》

《じゃあ、一緒に行こ? 穂香に話したい事もあるし、九条くんがいればラッキーって事で》

《ホントに? ありがと~! 千咲希様〜!》

 穂香とファミレスで待ち合わせする事になり、急いで帰り支度をする。自分も穂香のように素直になれたらと思いながら、また匡の事を考えている千咲希がいた。
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