雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「千咲希〜! お疲れ」


 ファミレスの前で待っていた穂香が大きく手を振ったので、千咲希も手を振って応える。


「先に入っててくれて良かったのに」


「え〜、だって九条がいたらどうすんの?」


「いや、九条くんに会うために来たんでしょ?」


「うぅ」


 そんな穂香に小さく吹き出しながら、千咲希はその背中を押した。


「ほら、行こ!」
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