雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「信じらんねー! 俺なんて、今から楽しみ過ぎてやべーよ」


「いいな。幸せそうで」


「ぜってー、思ってねーし!」


 いつもどこか冷めた帆鷹は、学校行事も面倒でしかなく、新太のようなお祭り男がうらやましく思う事もある。

 何かに熱中したり、夢中で追いかけたり、誰かを好きになったりーー。

 人を好きになった事がない帆鷹には、恋愛という行為もあまり理解出来ない。

 感情に永遠などないのだから、恋愛もいつかは終わる。そんなものに何故人は情熱的になれるのか。

 そんな事を思いながら、帆鷹の脳裏にふと、ラーメンを食べに行った時の穂香の顔が浮かんだ。
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