雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
思わぬ恋バナが二つの恋を後押しした
 ――ブーッブーッ。

 帆鷹のポケットの中、着信を告げたスマホのバイブが振動して低い音を立てた。それに気付いた穂香の胸は、小さくトクンと脈を打つ。ポケットからスマホを取り出し、画面を覗き込んだ帆鷹に、問い掛ける事が出来なくて言葉を呑み込んだ。

 ――もしかして……野原さん?

 帆鷹の目に映ったのは、新太の文字とその携番。気まずそうな顔の穂香を気に留める事もなく、帆鷹は通話マークをスライドさせた。


「もしもし?」


『あ、帆鷹!? 今誰とどこに居るんだよ!?』


 のっけから大声で騒ぐ新太に、帆鷹の耳がキーンとなる。思わず眉間にしわを寄せ、耳からスマホを少し離した。
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