雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「新太が今からこっち来るってさ」
「えっ!? 今の電話新太だったの!?」
びっくりしたと言わんばかりに訊き返されて、帆鷹の方が逆に驚く。
「そうだけど……? 他に誰かいる?」
絵里奈からの電話だとばかり思っていた穂香を知る由もない帆鷹は、とぼけるでもからかうでもなく、素でそう返した。
「……野原さん? かなーって思って」
「野原だったら、ここに来いなんて言わないよ」
「なんで?」
「中崎や長原と関わりのない奴ここに呼んでどうすんだよ」
「それはそうだけど……」
「俺もその辺の空気くらい読める」
帆鷹にぴしゃりと言われ、苦笑いで誤魔化すしかない穂香。そんな二人のやりとりを見ながら、千咲希は俯きがちに小さく吹き出して笑った。
「えっ!? 今の電話新太だったの!?」
びっくりしたと言わんばかりに訊き返されて、帆鷹の方が逆に驚く。
「そうだけど……? 他に誰かいる?」
絵里奈からの電話だとばかり思っていた穂香を知る由もない帆鷹は、とぼけるでもからかうでもなく、素でそう返した。
「……野原さん? かなーって思って」
「野原だったら、ここに来いなんて言わないよ」
「なんで?」
「中崎や長原と関わりのない奴ここに呼んでどうすんだよ」
「それはそうだけど……」
「俺もその辺の空気くらい読める」
帆鷹にぴしゃりと言われ、苦笑いで誤魔化すしかない穂香。そんな二人のやりとりを見ながら、千咲希は俯きがちに小さく吹き出して笑った。