君がうたう七つの子
しかし、僕はその手の事に関して非常に不得意だ。

自分の初恋もまだだし、クラスの男子があの子が可愛いとかいう話題にも興味を持てなかった。

ましてや、こうやって僕に好意を示してくれる人は初めてで。

なにが良くて、なにがまずいのか、想像も出来ない程に無知である。

どうしようと今度は僕があたふたしていると、小さな笑い声が聞こえた。

彼女を見ると、口元がほころんでいる。

「やっと、気づいてくれましたか沢村くん」

「・・・はい、多分ですけど」

いたずらげに笑う彼女は、満足そうだった。

目の端からは涙が一筋流れた。

「沢村くんがあまりにも戸惑っていて面白いから、笑すぎちゃった。

沢村くんのこんな姿、皆が見たら絶対驚いて固まっちゃうよ」

尚も笑う彼女の顔に、もう負の感情は見えなかった。

もしかしたら、見せないようにしているのかもしれない。

ならば、それに乗るのも僕の役目なんだろう。

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