君がうたう七つの子
「そうかな。やっぱり自分ではよくわかんないや」

「自分の事は、案外一番自分がわかっていないときもあるんだよ。

よし、そんな鈍感で頑固な沢村くんに、予言者たる私から予言を一つ与えましょう」

鈍感が指示している事は、果たして一つだけなのか気になるところではあるが、そこを掘り下げると自分に返ってきそうなので無視する。

そして、自分を予言者と称することもーーーと言いたいところだが、彼女の雰囲気にはそれを信じられるものがある。

彼女は右手の人差し指を一本だけたたせて、僕の目の前に持ってくる。

そして、予言者にふさわしい態度と声音で僕に告げた。

僕のこれからをーーー

「あなたは近いうちに、大切なことに気づくでしょう。

そして、自分の中に起こる変化も大きくなって無視できなくなります。

その時は・・・


その時はどうか、自分の感情に従ってまっすぐ走って下さい」
約束だよ

最後のほうは予言者としての言葉ではなく、彼女自身のものだったが僕は頷いた。

彼女の強い言葉に気圧されたのも十分あるけど、それだけではない。

確かに僕は少し変わったのかもしれない。

だって交換条件でもなく、何の取引もなしに、一方的な彼女の願いを、僕は約束として受け入れたのだから。
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