さよならはまたあとで
私がその店に近づくにつれて、見覚えのある顔がだんだん大きくなっていった。

私はすぐに分かった。


「優恵ちゃん!やっぱり来ると思った」


律太だ。


「なんでよ、ストーカー。」


私はため息をつきながらイヤホンを外す。


「だって、優恵ちゃん顔に出るから」


「なにが」


「あのとき、すごく行きたそうな顔してたんだよ、優恵ちゃん」


彼は得意げにそう言った。


「せっかくだし、一緒じゃダメかな。俺、今日一人なの」


私は断れなかった。
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