さよならはまたあとで
5時の鐘の音がなる。


「ここも、夕焼け小焼けなんだね」


彼はそう言って、眩しそうに赤く染まった空を見上げた。

5時の鐘の音楽をちゃんと聴くのなんていつぶりだろう。

カラスが数羽、視界を横切っていった。


「律太君の住んでいるところも?」


私は夕日を眺めながらそう聞いた。


「うん、昔から…って…あっ!!」


気づくと彼は私の方を見ていた。
目があった。
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