それを愛だというのなら
そして夏休み明けに教室に立った私を見て、サツキたちは口をあんぐりと開けた。
死神くんに健康体にしてもらったときと同じように。
そして、これまた同じように……彼女たちは、目に涙を溜めてしまったのだった。
「どうしてよお、瑞穂」
「治ったって言ったじゃない」
私の健康を喜び、それが続くことを祈ってくれた友達が、今の惨状を見て嘆く。
一応メールではみんなに報告しておいたのだけど、再発してから会うのはこれが初めてだった。
やせ細った私の姿は、自分が思っている以上にインパクトがあったみたい。
「再発しちゃった。こんな私だけど、どうぞよろしく」
「当たり前じゃないっ」
ぺこりと頭を下げると、ヒトミが抱きついてきた。続いて、サツキとフミも。
私はもう、無理に笑うことはしなかった。
そんなことをしたって、周りは喜ばない。
健斗がそう教えてくれたから。