それを愛だというのなら


「はやっ」

「そう? 美味かったからかな」


さ、さらっと褒めてくれた……!

微笑んだ彼は、自分で持ってきたコンビニの袋をごそごそと探る。


「ほら、弁当食べたらおやつやるから。瑞穂も頑張って食べな」


そう言って、色んなフレーバーのチョコレートが入った袋を見せる。

コンビニの袋の中、他には菓子パンが入っているみたいだけど、お腹が満たされたのか、彼はそっちに手をつけようとはしなかった。

良かった……お弁当残されて、そのパン食べられたらショックで寝込むところだったよ。

ホッとして自分のお弁当を急いで食べる。

うん、同じものをつめてきたけど、どれも感動するほどは美味しくない。けれど普通の味だ。良かった。


「あの、日曜日って暇?」


食べながら聞くと、水沢くんはペットボトルのお茶を飲みながら答える。


「暇だけど」

「本当? じゃあ、あの、会えたりしないかな……」


公園デートとか、夢なんだよね~。

妄想が頭の中で膨らみそうになったとき、彼は冷静な声で答えた。


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