それを愛だというのなら


「いいけど、瑞穂は勉強しないの?」

「はい?」

「月曜から期末だよ」


…………期末………期末、テスト………?

NO―――‼


「何今気づいたって顔してんの」


いや、本当に今気づいたんだもん。

頭の中お花畑で、テストとか他の次元の話として処理してたのかしら。


「俺はいいけど、瑞穂は勉強しなきゃいけないんじゃないの。そろそろ進路も決めなきゃだし」

「俺はいいけどって……水沢くんだって、同じ学年じゃない」


そう言うと、彼は薄く笑いながら、自嘲するように言った。


「だったね。でもやる気がしないんだ。どうでもいいって感じ」

「なにそれ」

「俺は皆みたいに、未来の自分に期待できなくてさ」


そう話す水沢くんは、どこかやけくそになっているように見えた。

あなたは健康で、容姿も優れている。

なのに未来の自分に期待できない?


「どうして、そう思うの?」


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