それを愛だというのなら


そうなると、死神くんが困る。せっかくノルマ達成のために、私の寿命を短くしたっていうのに。


「今なら、契約を取り消すことができるけど、どうする?」


意外な言葉を死神くんが吐くので、一瞬言葉を失ってしまった。

契約を取り消すことができる。

それは、今後、病気を抱えたままになってしまうけど、平均寿命くらいまで生きることができるということ。


「そんなことしたって、死神くんにはなんの得にもならないじゃない」

「その通り。だが、自ら地縛霊を増やしてしまったことが上にバレたら、ノルマを達成できないより、もっとひどいことになる」


そうなのか……。あの世の制度はイマイチよくわからない。

とにかく死神くんは、私に地縛霊になってほしくないわけね。


「私だって、地縛霊になんてなりたくないよ」


どうせなら、お花がいっぱい咲いていて、西洋人の赤ちゃんみたいな可愛い天使がいる天国に行きたい。


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