きらきらふわり
夏休みの間、同い年の彼、龍馬(リョウマ)とデートの日以外は市の図書館に通う。

私は高三だけど付属の大学へ進学希望だから、特に受験勉強はしなくていいのに、朝から閉館時間まで勉強する。

正確には勉強するフリをしに行く。

その図書館の近くには偏差値の高い国立大学があって、大学の図書館に入りきれなかった学生達が勉強をしに来ることを知ってるから。

龍馬よりもいい男と出会えるかもしれないチャンスを掴みに「狩り」をする。

チャラチャラした男は嫌いだから、ナンパされに繁華街に行くんじゃ意味がない。

よく「出会いがない」とか嘆く子もいるけど、そんなのおかしい。自分からいくらでもガンガン出会いを求めに行けばいいじゃない。

がっつかなくてもいい。
てか、がっついたら引かれるから、こっちはただ隙を作ればいい。

向こうが声を掛けやすくなるよう、きっかけと隙を作って待ってればいい。
相手から迫ってこさせて、その時に頬を染め、恥らうような態度を見せつつ、にっこり笑えばいい。

鏡の前で練習した、私が一番かわいく見えるあの笑顔を見せて、純情そうに振舞えばいい。


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