彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
(・・・?誰のだろう?)
閉まっている時間の方が多い『felicita(フェリチータ)』の店内には、初代メンバーそれぞれの定位置がある。
瑞希お兄ちゃんがキッチンにいるように、他の先輩達も座る場所が決まっている。
(でも、カウンターは、私以外は座ってないけどな・・・??)
私が来たら、モニカちゃんとかが隣に移動してくることはある。
瑞希お兄ちゃんも、仕込みとか、コーヒーの作り方の練習が終わったら、私のいるカウンター席に座ってくれる。
必ず、隣に座ってくれる。
となると・・・
「瑞希お兄ちゃんのかな?」
良く座る確率からしたら、モニカちゃんより瑞希お兄ちゃん。
恐る恐る、書類の束を手に取る。
無地の表紙を、そっと指でめくれば―――――――――
「え?」
なにこれ?
「数式?数学の問題!?」
出てきたのは、学校で一学期に習った数学の学習範囲だ。
「どうして、数学の問題集が・・・??」
そのままめくり、違いに気づく。
「違う・・・!これ、漢文に、英語に、化学と理科、国語もある・・・!」
言ってしまえば、全教科をまとめた問題集だった。
「すごい・・・」
中身を一通り見て、自然と出る賞賛の言葉。
「どの教科も、どの問題も、すごくわかりやすい・・・!」
勉強する時、学校の教材以外も使って予習復習をする。
いろいろ試して、一番使いやすいもので勉強してるけど・・・・
「これ、今まで使ってきた教材の中で、一番使いやすいかも・・・!」
問題集を前に、うずうずする。
解いてみたい、やってみたいと思う。
(しかもこの内容、今回の試験範囲とかぶってる・・・・!)
それもあって、なおさらやりたくなった。
誘惑に勝てなかった。