彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



冷静になって行く心が、ヤマトに問いかけていた。



「第三者から見て、どう思う?」

「うはははは!よーわからんわ!ただな~あの先生、わしんとこで世界史教えてんねん!」

「それはもう聞いた。」

「そうか!そいでの~凛と同じ委員会の女の子に、菅原凛さんについて、なんぞ聞いとったでー?」

「え!?私のことを・・・?」

「せやせや!人目から隠れるように、コソコソや~!案外、裏を取っとるんっちゃうんか?」

「そうなんだ・・・・。」



彼女とは共通点がないからわからなかったけど・・・



「助けてもらえるなら、助けてほしい・・・・」

「凛?」

「いつまでも・・・・このままは、ツライ・・・・」

「そやな・・・・凛がいじめられとるの、わしも見てられんからのぉ・・・助けてええか?」

「だめです。それがきっかけで、僕が『凛道蓮』だとバレては困ります。」

「うははは!またそれかいな!?用心深すぎやろー?」



私がいじめられっ子だとわかってから、ヤマトは私を助けたがる。

でもそれは、私にとって嬉しいことではない。

嬉しくないわけじゃないけど・・・・



(いじめが終わるよりも、バレて瑞希お兄ちゃんとの関係が壊れることの方が怖い・・・)



「・・・なにより、相手が厄介だ。」

「渕上ルノアがか~?」

「ああ。学校と生徒を言いなりにさせるだけの力を持ってやがるからな・・・」



いずれ、何とかするにしても、今は証拠作りだ。


(そのために毎日、どんないじめを誰から受けたか日記に書いてるもんね。破られた教科書や壊された文房具も写真データで残し、入学祝でもらったお小遣いで買ったボイスレコーダーで悪口も録音してるし・・・!)



〔★コツコツと積み重ねていた★〕



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