彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
いろんな種類の飴玉を私に握らせながら、ヤマトは楽しそうに言う。
「そないゆーけど、凛こそ、わしをどない思ってんね~ん!?」
「え?声がデカくて話も長いあまりに『ラジオ』とあだ名されている馬鹿力の謎の関西人。」
「けっこ~つめこんできなぁ~!?うはははは!」
思った通りを言えば、パンパンと手を叩いて笑うヤマト。
「わしは別に、謎はつくっとらんけどなぁ~!そないに、ミステリアスかっ!?かっこええか!?」
「ごめん、嘘です。考え直してみれば、離れたクラスの転校生ということでわからないだけです。」
「なんでそこで遠慮すんねん!?つっこんできーや!うはははは!」
「いや、君と漫才を組んだ覚えはありませんから。」
〔★上手い切り返しをした★〕
「きっついなー自分?瑞希お兄ちゃん以外は、心をシャットダウンかいな!?」
「そうじゃないですよ!ヤマトは、良い友達だから・・・・今だって、こうやって付き合ってくれてて・・・・だから・・・・・」
「心配いらんで、凛。」
私の言葉を遮るようにヤマトは言った。
「学校では、『すがわら』さんと『あらしやま』くんや!バレるようなことせーへん!凛をだます気もあらへんからな?」
「ヤマト・・・」
少し、不安だった。
友達だと思っていた人達に裏切られ、簡単に信じてはいけないと思うようになっていた。
少しは、疑う心を持ってもいいけど・・・・・
「まぁ疑い深くなって、しゃーないわ!でもわし、後藤先生はええ人や思うで!?」
「・・・・そんなに、わかりやすかったか?」
「わかるっちゅーか、あんだけ凛・・・菅原さんばっかり物がなくなりよったら、普通の教師はおかしい思うで?」
「そっちじゃなくて!」
「なんや、あっちか?『いじめらてること』やのうて、『菅原さんがいじめの被害者』やって、疑ってきた後藤先生の態度かいな~?」
「そうだよ。」
まさか、今頃になって、私の無罪を信じる教師が現れるなんて・・・!
無意識に握りしめた拳がなる。