彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「うはははは!ミラクル~!気功を探れば、何でもわかるっちゅーんかい?」
「茶化さないで下さい!気功は本当にすごいんですから!」
「どんくらーい?」
「例えるなら、拳銃を撃つと消炎のにおいが残りますよね!?それと同じで、僕が殺気を込めて戦った後の残り香を嗅ぎ取るんです!」
「だったら、凛道蓮やった後に行かんとええが~!?」
「そうしてましたよ!時間を置いても、呼吸を整えてみても、私が前の私じゃないって感じ取ったみたいで・・・・!」
「単に、いじめられっ子オーラに反応したんちゃうか?相談するチャンスやったんちゃう?」
「面倒だからいいですよ!言ったところで、学校関係者でもないのに何ができますか?」
生徒を管理する立場の人達が、渕上の味方をしてる時点で意味がない。
「それに・・・両親も、これ以上は月謝を払わない、通わせる気がないって言ってたんです!安全で有名な私立に入学したんだから、無駄。その時間を、塾へ行く時間にしたらいいって言いましてね・・・!」
「ほぉ~そんで、塾に通っとんかい!?龍星軍の総長しながらー?」
「今は行ってません!ただ・・・夏期講習を申し込んだ塾さえよければ・・・夏休み明けから通うことになるでしょう。」
「はぁー子供に勉強させたがる親やな~!?菅原さん、そんなことせんでも、十分、頭ええやん!?」
「大学受験の準備ですよ。」
「今から受験かいな!?そりゃあ、このままエスカレーター式で、大学には行きとうないのはわかるけどなぁ~?」
「でしょう?とはいえ、塾に行くと瑞希お兄ちゃんとの時間が減るので・・・上手く調整をつけたいんですよね・・・!」
私の今の学力なら、塾まで行かなくていいと思う。
ヤマトには言えないけど、そのためにワンランク下の有名私立高校に来たのだ。
でも、今は事情が違う。
「渕上家は、そのまんま、あゆみが丘学園の大学に行くからのぉ~」
「ええ・・・!」
大学生活の4年間まで、渕上達のおもちゃにされたくない。
(これというのも全部、いじめがあるせい。)
「しっかし、どこいっても、いじめはあるもんやんぁ~ツライやろう?」
「うん・・・」
そうだよ。
いじめがあるせいで、私は、私は・・・・!
(余計なパワーを使ってる!!瑞希お兄ちゃんのこと以外で、よけいなパワーを使いたくないのに!!)
〔★ツライの気持ちが違った★〕