彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
いじめを受けるのはつらい。
精神的にも肉体的にも追いつめられる。
だから、同時にムカついていた。
いじめに耐えることに力を使うぐらいなら、その分を瑞希お兄ちゃんにあてたい・・・!
体力、精神力共に、好きな人に捧げたいのに・・・!
(これというのも、あのくされ女・・・・!)
「渕上あの野郎~!マジで覚えてやがれ・・・!」
「うはははは!おしゃべりはこんくらいにして、はよぅ食わん時間なくなるで!なぁ!?」
「そうですね・・・・!」
ヤマトのすすめもあって、憎いいじめっ子への怒りを収める。
食事を始める。
ヤマトから購入した卵サンドを食べる。
フィルムを開ける私の隣で、メロンパンの袋を開けながらヤマトが言った。
「そりゃそうと、凛!今日も行くんやろうー?」
「え?うん・・・・もちろん行くよ?」
主語はなかったが、何をどうするかは、わかっていた。
「当然、瑞希お兄ちゃんに会いに行くよ!」
土日の休みはもちろん、平日の午後も、時間が合えば、瑞希お兄ちゃんの元へ通っている。
そうすることで、私の精神が保たれてると言っていい。
「そういう思ったで~!」
私の言葉に、ヤマトがニヤリと笑う。
「わしもついてってええか!?」
「え?別にいいけど・・・・『僕』が瑞希お兄ちゃんと2人きりになるを邪魔はしないでよ?」
「うははは!せーへん、せーへんって、恋する乙女~!?わしの単車で店まで連れてったるわ!」
「え!?持ってるの?」
「うははは!当然やで!凛道蓮変身セット、もって来とるんやろ!?うちで着替えたら早いやん!?」
「ヒーローもののコスチュームみたいに言わないで下さい。着替えは・・・例のロッカーに置いてるので、持ってませんよ。」
「ほな、今日のところはわしの服貸したるわ!これからはわしの家に置きー!」
「え!?ヤマトの家に?」
意外な申し出に聞き返せば、パンを頬張りながら彼は言う。