彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




いじめを受けるのはつらい。

精神的にも肉体的にも追いつめられる。



だから、同時にムカついていた。



いじめに耐えることに力を使うぐらいなら、その分を瑞希お兄ちゃんにあてたい・・・!

体力、精神力共に、好きな人に捧げたいのに・・・!



(これというのも、あのくされ女・・・・!)



「渕上あの野郎~!マジで覚えてやがれ・・・!」

「うはははは!おしゃべりはこんくらいにして、はよぅ食わん時間なくなるで!なぁ!?」

「そうですね・・・・!」



ヤマトのすすめもあって、憎いいじめっ子への怒りを収める。

食事を始める。

ヤマトから購入した卵サンドを食べる。

フィルムを開ける私の隣で、メロンパンの袋を開けながらヤマトが言った。



「そりゃそうと、凛!今日も行くんやろうー?」

「え?うん・・・・もちろん行くよ?」



主語はなかったが、何をどうするかは、わかっていた。




「当然、瑞希お兄ちゃんに会いに行くよ!」




土日の休みはもちろん、平日の午後も、時間が合えば、瑞希お兄ちゃんの元へ通っている。

そうすることで、私の精神が保たれてると言っていい。



「そういう思ったで~!」




私の言葉に、ヤマトがニヤリと笑う。



「わしもついてってええか!?」

「え?別にいいけど・・・・『僕』が瑞希お兄ちゃんと2人きりになるを邪魔はしないでよ?」

「うははは!せーへん、せーへんって、恋する乙女~!?わしの単車で店まで連れてったるわ!」

「え!?持ってるの?」

「うははは!当然やで!凛道蓮変身セット、もって来とるんやろ!?うちで着替えたら早いやん!?」

「ヒーローもののコスチュームみたいに言わないで下さい。着替えは・・・例のロッカーに置いてるので、持ってませんよ。」

「ほな、今日のところはわしの服貸したるわ!これからはわしの家に置きー!」

「え!?ヤマトの家に?」


意外な申し出に聞き返せば、パンを頬張りながら彼は言う。



< 24 / 715 >

この作品をシェア

pagetop