彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



公衆電話を目指して走る。

テスト期間なので、みんな早々と下校していてよかった。

周囲を警戒しつつも、並んで走るヤマトに聞いた。





「ヤマト!電話がかかってきたのはいつ!?」

「ちょっと前や!」

「じゃあ、テストが終了してからですね!」

「え?始まる前やでー?」

「はあ!?始まる前だとっ!?」

「そやねん!人が漢字と向き合ってる時に、ややこしいこと言いくさって・・・こないもやもやした気持ちでテスト受けたから、きっとわし、漢文が一番悪いで~!?うははは!」

「馬鹿野郎!?もう1時間以上たってるじゃないですか!?」





そうなると、人質の生存確率が・・・



(下がってる!!)



〔★凛は悪い予感を覚えた★〕




「うははは!凛、ついたで~!」

「笑顔で言うな!マジで反省しやがれ!」

「すまん、すまん!ほな、10円!」

「10円で済みますか!?もはや、10円の会話で片付く話じゃなくなってますよ!」




ツッコミを入れながら、目当ての公衆電話の前に立つ。

続けざまに、お金を入れた。




「凛!?今、100円入れへんかった!?公衆電話は、10円で~」

「10円から使えるが、時間は100円分はかかります!はやくボタンを押せ!」

「なんだい、店の前で大声を出して~」

「うはははは!すんまへーん!携帯落したんで、ショップにかけるとこでーす!」



昔ながらの煙草の窓口から顔を出す老女から、私を隠しながらヤマトが誤魔化す。



「はぁ~そりゃあ、なんぎだね・・・長電話になるなら、両替ぐらいはしてやるよ。あたしゃ、暴れん坊将軍を見てるから・・・」

「おおきに!うはははは!」



おばあさんに愛想よく笑うと、首だけで私を見てから低くうなるヤマト。





「静かにせんか、凛!」

「くっ、ご、ごめんね!わかったから、早く電話を~」

「まかせとき~!」




そういうと、早打ちで、計11回ボタンを叩く。



「うはははは!頼むで!通じてや!」

「本当は、1時間前に言ってほしかったですけどね。」



耳に受話器をあてて、相手が出るのを待つ。

というか、本当にあってるかな?




プルルル、プルルル、プルルル、ピッ!






〈・・・もしもし。〉





一応、出るには出た。

男の声。

受話器に耳を近づけていたヤマトを見れば、親指を立ててうなずく。

あってはいるらしいが、念のために聞いた。




< 486 / 715 >

この作品をシェア

pagetop