彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
ますみちゃんを後ろに乗せて帰宅した時、辺りは薄暗くなっていた。
だから、暗闇から飛び出してきた者に驚いた。
「ますみぃぃぃぃぃ!!」
「わあああ!?」
「お姉ちゃん!?」
「な・・・はすみさん!?」
出てきたのは、ますみちゃんのシスコン姉のはすみさん。
ロングの特攻服をなびかせながら、陸上選手のようなホームでこちらに突進してきた。
ガレージの中から出てきた彼女に、その側にバイクを止めた私は完全によけれなかった。
(やばい!?逃げられない!?)
また前みたいに、攻撃される!?
「――――――――――――すまなかった凛道蓮さぁぁぁぁんっ!!」
ズザアアアア!!
「ええ――――――!?スライディング土下座っ!!?」
助走をつけて飛び込んできたと思えば、足元に正座して頭を下げる『弁才天』の13代目総長。
「はすみお姉ちゃん!?」
「な、なにをしてるんですか!?」
「すまなかった、凛道蓮!!いや、凛道さん!この通りだ!!許してくれ!!」
「え?え!?」
「本来なら、指の1つでも詰めてぇとこだが、それはいろいろ困るって真田さんに言われて・・・!」
「はああ!?どこのヤクザですか!?」
「保管場所にも困るし、なんとかって罪に問われるから、出来ないって真田瑞希さんが言って・・・・!」
「はすみさーん!?瑞希お兄ちゃんに何を言ったんですか!?」
「凛へのお詫びの方法だ。」
「瑞希お兄ちゃん!?」
声のする方を見れば、ガレージから出てくる愛しい人がいた。
「凛の帰りを今か今かと待ってたぜ~?」
そう語る言葉は嬉しいけど、彼の表情は疲れていた。
「すみまえせんでした!僕のせいで、瑞希お兄ちゃんがお疲れのようで~」
「どっちかっていうと、凛の足元にいるお姉ちゃんが原因だ。」
「へ?」
足元って・・・
「はすみさん・・・・?」
「あんたの言う通りだった、凛道蓮さん。」
コンクリートに座り込んだまま、硬派で知られる女総長は言う。