お金か愛か~16歳男子の決断~
「「「「行ってきます!」」」」


いつも俺たちは遠くにおる父さんともっと遠くにおる母さんに…あいさつしてから学校に行く。


途中まで4人で行って、下の2人とはわかれた。


智柚とは同じ学校やから学校まで一緒。


私立椿学園高等部


御曹司やお嬢様がうじゃうじゃいるこの学校に通ってる。


高等部から入学した俺たちは学園内で目立つ存在や。


まず俺と智柚が双子やってこと。


次に金持ちちゃうこと。


最後に俺も智柚も全額奨学金で通ってること。


この3つが目立つ大きな理由やと思う。


ちなみに奨学金は返さんくてもよくって、家計には全く負担がかからへん。


「惟智、今日は何人やと思う?」


校門をくぐった瞬間、今まで話してた話をやめて智柚が言い出した。


何人かと言うのは、智柚の下駄箱に何人からのラブレターが入っているか。


智柚は金持ちちゃうけど持ち前の外見のよさと女の子らしいことでモテる。


これは日課になりつつあるやりとりやったりする。


< 2 / 102 >

この作品をシェア

pagetop