いつもの場所
「ねぇ、何なのよ?今さら私とやりなおしたいなんてワガママよ!散々私の事コケにして。」



ばつの悪そうな顔をする淳には十分に心当たりがあった。そして、少しの間沈黙が続いたがゆっくり強く彼はこう言った。



「なら…お前にはこれができる?」



凛々子は「何?」という顔で淳を見た。すると淳は思わぬ行動に出た。




持っていた大きな荷物をひっくり返しテーブルいっぱいに、そして床にも散りばめた。




それらは…凛々子との思いでの品々だった。




写真、お揃いのストラップ、香水、ブレスレット、誕生日にあげた大きなフィギュア…数えきれないほどだった。




そして淳は声を荒げた。




「お前はこれが踏めるか?!」




淳は何かを覚悟しているかのような目付きだった。だが凛々子といったら、この淳との「ハプニング」はこれで最後になるだろうと安堵さえした。




そして彼女は思いっきり床に落ちていたCDを踏んだ。



「お前さ…本気かよ!!」



淳の目には涙が滲んでいたが、彼女を見ないようにしてその場を後にした。



ルイとの帰り道、気まずい雰囲気が流れたが凛々子はルイの暖かい包容力を感じて更に彼が愛しくなった。その日は軽いハグとキス、そして次のデートの約束をして帰った。



凛々子は玄関を開けるとふと、慌てて取った郵便物が目に入った。そこには裸のCD一枚があった。




『サヨナラなんかは言わせない』




淳の好きなアーティストの曲だった。
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