大切な人へ
はぁ... はぁ...
唇が離れ 力が抜ける...
彼の腕の力も緩まって
彼の顔が見えるようになってく
ドクンッ...
私を見つめる瞳は、トロンとしていて
とても艶っぽくて...色気を感じた
きっと私も同じ顔をしてる
彼の耳元で囁く__
『触って?』
触れてほしい
求めてほしいの
私だけの先生でいて?
でも彼の返事はなかった
先生は目を閉じて俯いてしまう
『私じゃ...だめなの?』
彼の手が優しく背中に触れる
「大事だから...」
どうして...?
わからないよ
わかるけどわかんない
私のすすり泣く声だけが部屋に響いた