大切な人へ

「藍野!ちょっと職員室にいいか?」

HRが終わって担任に呼ばれた


職員室の担任の席の隣には先生がいる

「もうすぐ2学期も終わる。
進路まだ書けないか?」


前に先生に相談に乗ってもらったことを
思い出す...



『途中で進路変更ってできますか?
学校や先生に迷惑かかりませんか?』

担任の表情が一気に明るくなっていく

「大丈夫だ!理系から文系ってなると
難しいけど 偏差値に合わせて調整はするもんだ」

『白紙のままよりはいいんですよね』

ああ!っと大きな声で私を見つめてる



『じゃあ私の学力で入れるギリギリの学校
一番高い偏差値の学校を教えてください
ここから遠くない文系で。そこを書きます』


淡々と答える私...

正直まだ進学する気なんてなかった
でも 先生と話して思ったの


何かしたいことが出来たときの自分って
考えたことなかったって...


そんなことにも気づいてなかったの


先生と出会って
私の世界観は大きく変わった気がする


知らなかったこと
考えたこともないようなことに
気付かせてくれたんだよ



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