大切な人へ
優しい愛

体は洗った

でも何もする気になれない…

時計はもう夕方の5時
私は今日…何してた?




ピンポーン
「制服持ってきた 入ってもいい?」 うん…

「学校には風邪だってことになってる
クラスの子も生徒は誰も知らないから」 うん…



「これ…何も食べてないんじゃないかと思って」

先生はサンドイッチやカップスープなど
食べるものを買ってきてくれていた…


そういえば私今日…1回も口開けてない…



「体…痛い?」

そっと髪をかきあげて首の傷を見る
心配してくれる彼に涙が落ちた…



『ぎゅって…してくれませんか』

彼は黙って優しく抱き寄せてくれる

おでこにあたる先生の胸が温かくて
ほっとした




先生はまたごめんって言う

『謝らないで。先生は助けてくれた
もし来てくれなかったら……』


もう大丈夫だからって少し強く
抱きしめられるとあちこち痛い

痛いって言うと焦る先生に笑っちゃって
お腹がすごく痛かった…



先生が初めてここでコーヒーを入れてくれた
いつもの私のように 同じ動きで

「顔もまだ少し腫れてる」

そう言って頬を湿布の上からなでた


「でもちゃんと治るから…傷も全部」

優しい声に心が温かくなる
先生の入れてくれたコーヒーも
温かくて 冷えた体に染み込んでいく…



彼はなかなか帰らなかった

食事を食べるまで帰らないって…

一緒にサンドイッチを食べてくれた





『先生…一緒に寝てほしいって言ったら
そうしてくれる…?』

「いいよ 朝まで横にいる」

即答に少し笑ってしまう…イタタ


『やっぱりいい…
ドキドキして寝れないよ…』

ふっと目を細めて

おやすみって言って帰っていった






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