大切な人へ


私はあの後
呆然と彼を目で追い
声を出すことも忘れていた…


彼は勝てるって思ってる そう感じたから



彼が前の走者を抜いた瞬間はクラスが
ものすごく湧いた

ゴールした瞬間 紗羅が飛びついてきてやっと
私も歓声に加わり喜んだ





リレーのお陰で我が2組は優勝!
賞金を頂き 学校の中の小さなホールで
打ち上げが始まる もちろんお酒は抜きで


「「かんぱーい!!」」


私達はまた4人で集まっていた


『2人共凄かったね~!ビックリした!』


私がそう言うと紗羅も賛同して


「かっこよかったね~!」と


ニコニコと天使の様なスマイルに
2人は照れている 笑


『ねぇ井川くん リレーの時一瞬笑った?』


そう聞くと あとの2人がえっ?とハモった



「あー。何か不安そうにしてたから
余裕だって言ってやろうと思って」

やっぱりそうだったんだ


目が合った瞬間、
ニッと歯を見せるように笑った井川くん

多分私しか気付かない様な一瞬だった



「周り見るくらい余裕だった?」

呆れたように上田くんが
井川くんの肩に腕を回した



お前もかなり追い上げてくれたしな と
上田くんと笑い合う2人

2人は本当に仲良しなんだなと感じた



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