大切な人へ

「ついたよ」

そう言ったのはどこかの建物の地下駐車場

「先にランチでもいい?」

連れて来てくれたのは
その建物の中にあった可愛いカフェだった

横の中庭がきれいで奥に大きなツリーがあった

「帰るころにはライトアップしてるから寄ろうね」

またまた完璧なエスコートに
惚れなおしちゃいますから!



「そろそろ行こうか...」

時計を気にしてるってことは予約でもあるの?

もうわかるからって教えてくれない先生
でも嬉しそうに笑ってるから私も嬉しい


中を進むと建物の大きさがわかってくる
広いホールが見えてきた...

そのドアをくぐると正面には大きな幕

__‼


そこに書かれた言葉をみたとたん

涙が溢れてしまった...


急に立ち止まる私に振り返って

「泣くの早すぎだから 笑」

ハンカチを貸してくれた...だって だって


そこに書かれていたのは


___フィルハーモニーXmasコンサート
~you are a precious person to me~


『私が音楽好きなの...
覚えててくれたんですか?』


多分言った気がする

勉強会の始めの方だったかな

中学の吹奏楽でフルートしてたって

バイトがあるから諦めたけど大好きだったって



覚えててくれた事も

だから今日連れてきてくれた事も

あなたと一緒にこれた事も

この文章も…

全部が嬉しかったの




先生は優しく笑って

手を差し出してくれた

「いこ?」



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