大切な人へ

その日は先生の担当する科学があった

先生が教室に入った瞬間鼓動が早くなる



今までとは全く違う自分になった様だ

相変わらず俯き加減に教科書を読み
チョークを握るその一つ一つの仕草まで
ドキドキしながら目で追ってしまう



いつも通りの静かな授業が続く

私はボーっと彼を見つめていて
いつの間にかペンも止まっていた


そんな私と…


…‼


目が合ってしまい思わず下を向く
鼓動はより大きくなっていて 顔が熱い…


どうしよう…


こんな経験がない私でもわかるくらい
ときめいてしまっている



先生が……好きなんだ……




そっと右手を胸にあてて

その騒がしい心音に実感した





またあの笑顔が見たい

もっと話してみたい

もっと彼のことが知りたい





またそんな事ばかり考えてしまう…





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