大切な人へ

_え? 気持ち悪いけど…痛くない

目を開けると私のバックが転がっていた



「はぁ… 大丈夫?」

__っ‼


耳元で突然の先生の声に驚いた

私だけじゃない体温
体がぎゅっと支えられてる…!?



『…‼ ごっ‼ごめんなさいっ』


状況が解りとっさに先生から離れようとする
けど…まだクラクラしていて軽く支えられる


彼は落ちてきた私を受けとめてくれていた…


「目、回った?」

くすくす笑う先生の声が近い


気持ち悪い…でも先生待たせてるし


だんだん戻ってきた視界に先生がずっとこっちを向いていた理由に気が付き、あわててそれを離した‼



私はずっと彼の遠い方の肩を握っていたのだ
おかげで至近距離のまま動けなかったらしい


「ごめんなさいっ すみません‼」


謝り続ける私に大丈夫 と言って
先に落ちていたバックを取ってくれた



恥ずかしすぎる…茹で上がる私…



差し出されたバックに手を伸ばすと

カクンっと左足の爪先が落ちた…‼


『ヤッ‼』




「も~危ないなぁ…サンダルだから?」

また落ちかけた私を下から持ち上げる先生





でも今度は私が動けない…だって先生の手…

『あの…』

私の胸をぎゅっと握る彼の手に触れる



「わっ‼ごめん‼」

慌てて手を離して謝る先生

「わざとじゃないから…ごめん」

『いえ…私こそ何度も…すみません』


…… 。


気まずい沈黙






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