ラブ パラドックス
最悪のシナリオから、徐々に遠ざかっていってるような気がする。ドキドキと、鳴りやまない鼓動は変わらないけれど。

不安と緊張は付きまとうけど。

それでもどこか、前進してるように思える。


わたし、いつからこんな前向きな思考になったの?


いつもなら、そんなわけないって、都合のいい考えは頭の中で打ち消すのに。


私も夏目くんにまっすぐ体を向ける。

前向きついでに、あれを聞いてしまえ。


「あのキスマークはどういう意味?」


まるで動揺を表すかのように、夏目くんの瞳が揺れる。でもそれは一瞬で、まっすぐな視線がすぐ返ってきた。


「あれは付けようと思って付けたわけじゃない。ただ、昂ぶって加減し損なった。あんな簡単につくって思ってなかった。俺肺活量すげえから。悪かった」

「肺活量て」

「つうか、お前そろそろ分かれよ」

「?」

「言わなきゃわかんねえの?」


あ、と息を吞んだ。

立ち上がった夏目くんが、椅子に座ったまま驚いてのけぞった私を、覆いかぶさるように抱きしめた。



「俺はお前が好きだって、言わなきゃわかんねえの?」

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