ラブ パラドックス
今夜は月が明るい。

先に寝付いた凛子の規則正しい呼吸が心地よくて、気持ちよさそうに眠る寝顔をしばらく眺めていた。


俺も寝ようとしたその時、凛子の身体がビクリ、大きく跳ねた。

なんだよ。俺までビクってなったじゃねえか。

さっきまでとは一転して、泣き出しそうに顔をゆがめる。怖い夢でも見てるのか?

起こすべきか悩んでいると、一瞬うめき声をあげ、涙を流し始めた。


「凛子?大丈夫か?」


声をかけ肩をゆすると、再び身体をビクリと震わせ目を覚ました。


「陽…」

俺のほうに身体を向け、胸に顔をうずめ抱きついてきた。

それから、声を上げて子どものように泣きじゃくった。


「どうした?怖い夢でも見たのか?」

こんな凛子見たことない。言いようのない不安が俺を侵食する。

凛子の涙が収まり呼吸が整うまでの間、抱きしめ背中をさすってやることしかできなかった。
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