ラブ パラドックス
「へえ、アンティークかこれ。加工?こんなの作れんの?」
「そうなの、意外と簡単なんだけど、足がないからホームセンターで材料調達しても、持って帰れないから困ってたの」
「なんだよ。早く言えよ。いつでも車出したのに」
「車持ってるの?木材買って積める?」
「大きさにもよるけど、いけると思う」
「やった。ありがと」
と、夏目くんが、胸ポケットから携帯を取り出した。ブーン、ブーン、とわずかに音が聞こえる。夏目くんは画面を確認して、ポケットに戻した。
「いいの?電話じゃないの?」
「下の歯医者の子。後でかけなおす」
それってこの前、びしょ濡れになってまで傘に入れてあげた人?
連絡先、交換してるんだ。後でかけなおすんだ。なんかやだな。
え。やだなって、どういうことよわたし。