僕の星
「ねえ、りっちゃんに頼めば何とかなるんじゃない」

 夕暮れの琵琶湖を眺めながら、ゆかりが思いついたように言った。
 湖は静かな海のようにも見える

「りっちゃんに?」
「だって、りっちゃんのメル友君の同級生でしょ。彼のこと話せば、紹介してもらえるかも」

 ゆかりの提案に里奈は戸惑う。そんなの、今までにない発想だ。

「でも、紹介してもらっても……」

 急に怖気づき、声が小さくなる。

「いいじゃない、まずはメル友になれば」
「メル友……」

 里奈は通話アプリより普通のメールが好きだ。
 なので、そっちでもいいならと考え、考えたことに一人で焦っている。

 集合時間が迫ってきたので、二人はバスへと急いだ。

「それに、お守り袋のお礼も言わなくちゃね」

 ゆかりとバスに乗り込みながら、里奈は素直に頷いていた。

「ほら、りっちゃんに話してみなよ」

 肘で突くゆかりに急かされ、里奈は覚悟を決めた。
 スマホの画面に写真を表示する。

「りっちゃん、ごめん。ちょっといいかな……」
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