放ったボールが虹を描けば
私たちの通う北ヶ原学園は、部活動に力を入れていることで有名な私立高校。
運動部はもちろん、文化部もさまざまな分野で活躍している。
私たち新聞部も、その活躍を学校中に広めるために、毎日活動している。
「なっちゃん!
バスケ部の密着取材、決まったよ!」
「知ってるよ。
ずっとここにいたからね。」
ちょっと反応が冷たいこの子は、同じく新聞部の親友、相沢 夏乃(あいざわ なつの)。
通称なっちゃん。
「夢が…夢が叶ったよ…………!」
「相変わらずだね、麻陽は。
篠崎先輩、そんなにカッコイイ?」
「何言ってんの!
あったりまえじゃん!!」
篠崎 傑(しのさき すぐる)先輩は、バスケ部のエースで、私の憧れ。
ファンもたくさんいて、
私も夏休み前に取材で一目見たときから、その1人。
でも部活は忙しいから、練習を見に行くことはできなくて。
接点が何もなかったから、ただ眺めるだけの日々だった。
でも諦めることはできなくて、密着取材をさせてほしいと、ずっと部長にお願いしていたんだ。