下村係長と同期の榎本くんの、シェア彼女…!?
「頑張り過ぎんな」


そう言って係長が頭をポンポンしてくれるから。


言わなきゃならない言葉を思わず飲み込んで、係長に引きずり込まれてしまう。


「認めてほしくて人の雑務引き受けるんじゃなく、認めてほしいなら、まず、カナはカナのやるべき事をやる、簡単な事だろ?」


係長の優しさが染みてしまって、心に水たまりを作る。


渇いてた心が潤っていく。


係長が広がっていく。


あんなに榎本くんばかり、自分を責めていただけの心だったのに。


このまま。


もう少しこのまま下村係長の傍にいれば、わたし、変われるのかな…。


恋や榎本くんも大事だけど、今、自分に一番足りない物、仕事への熱意や自信を取り戻せるなら。


無責任かも、他力本願かも、だけど。


下村係長がわたしを変えてくれる人なのかもしれない。


「オレと一緒にいる理由、見つかっただろ」


「え…?」


「とにかく。第二指令、オレから離れんな」


「…はい」


「化粧直せ。そろそろ会社着くぞ」


涙を引っ込めてファンデーションを軽く撫でつけると、パクトにはこれまでとは違った自分が写っているような気がした。
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