下村係長と同期の榎本くんの、シェア彼女…!?
「…ッ。えのも、とッくん…ッ」


「ダーメ。しゃっくり止まるまで、水責め」


榎本くんは二口、三口と水を含み、わたしの唇へ移してく。


びっくりのせいなのか、榎本くんのキスの水の効果なのか、次第に呼吸が落ち着く。


「止まった?」


「うん…。ありがとう…もう、平気…」


キスをくれた榎本くんじゃなく、濡れた胸元を見つめることしかできないわたしに。


その胸に榎本くんの手が這う。


「これ以上、進まない理由があるなら、聞かせて?」


「あの…あのねっ」


「うん」


「わたし…できない、の…」


「なぜ?」


「経験が…なくて…」


「エッチ、したことないの?」


「…うん」


「なら加奈ちゃんの初めて、ボクが欲しいな」


どうしよう…やっぱり昨日の下村係長の時と同じ、体が震えてくる。


榎本くんは、好き。


好き…だけど…どうしてもこの先に進めない、進んじゃいけない気がする。


大事にしたいとか、もったいぶってるんじゃなく。


ただ脳が“今じゃない”ってジャッジを下してる。


「カワイ。震えてる」


榎本くんのキスが髪に、おでこに、瞼に、頬に、唇に降る。


でもやっぱり体は強張っていく一方で、どうしても受け入れられない。
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