下村係長と同期の榎本くんの、シェア彼女…!?
『カナ?』


「下村係長…?」


「やっぱりね。もしもし係長?」


『お前…榎本か?』


「ご名答。加奈ちゃんに代わりますか?」


『なんで榎本が朝からカナと一緒にいる?』


「なんで、って。一晩一緒で今、朝ご飯中です」


「榎本くんっ」


───プツッ


後に会話はなく、切られた通話。


「榎本くん、どうしてっ」


「どうして?ボク、事実をありのまま言っただけ。いわゆる宣戦布告だね。一晩もらってやっぱり思ったんだ。どうしても下村サンに加奈ちゃんは渡せないって、ね。さ、食べよ。コーヒー、おかわりいる?」


「ううん…。いらない…」


榎本くんはキッチンへそのままわたしのスマホを持って行き、操作しながらコーヒーのおかわりを持ってくると、


「合羽橋で下町七夕まつりやってる。行こうか」


なんて、普通に笑うけど。


わたしはさっきの下村係長のスマホ越しの声が忘れられなくて。


やっぱりハンバーガーが砂の味になってしまう。


どうしよう…きっとゲスい女って、卑劣な女だって思われた。


第二指令の“オレから離れんな”って、守らなかった。


きっとお仕置きじゃなくて“サヨナラ”だよ、ね…。


ううん、元々何も始まってなかった、間違った告白をしただけ。


勘違いの2人にきっと“これから”はなかったんだから、こんなおしまいでも良かったのかもしれない。


だけど…わたしを見ててくれてたんだよ、ね…。


仕事もミスも見てくれて「頑張り過ぎんな」って…言ってくれたのに…。
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