下村係長と同期の榎本くんの、シェア彼女…!?
すぐにエレベーターが開いて台車を押す係長を追って、営業部の部屋へ入る。


ほとんどの人が外回りなのか人はまばらで、係長は自分のデスクの横にわたしの荷物を降ろし始めた。


「隣…ですか?」


「何か問題でもあるか?仕事は迅速さと正確さが全てだ。わざわざ離れたデスクで指示出すの、めんどくせぇだろ」


「そう、ですね…」


「ホラ、さっさと済ませて相談カード書け」


「はいっ」


引き出しにファイルや資料、筆記用具を並べて、机の上にパソコンとノート。


「何だ、このノート」


「あ、それは忘れないようにの私的なメモで…!」


パラパラとページをめくる係長の眉間にシワが寄る。


「カナ、仕事以外にこんなコトまでさせられてたのか?」


ノートには朝のお茶汲み、誰が煎茶で誰がほうじ茶か、部長をはじめ係全員分の湯呑み茶碗の区別がわかるように書いてあったり、同じくコーヒーは誰がブラックで誰がミルク入りか、コーヒーカップの種類。


お昼の出前を取りまとめて頼む時のお店の電話番号と定休日なんかを書いてあった。


「受注確認以外、コピーと書類整理までさせられてた上に、コレ?」


「はい…。あ、でも、お茶汲みくらい他の課でもしますよ、ね?」


「今時そんなコトするかよ、昭和のOLじゃあるまいし。他は?何か嫌味言われてたんだろ?」


「あ、えっと…。嫌味というか…。仕事を覚える気もだらしないのも直せないなら辞めろ?的な…」


そこまで言うと係長は自分のデスクから青い用紙を取り出して、わたしの新しいデスクに置いた。
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