下村係長と同期の榎本くんの、シェア彼女…!?
午後の仕事は順調。


仕事内容に変わりはないし、係長の言う通り、パソコンさえあればここでは他に頼まれる雑務がないから実にスムーズに仕事がはかどる。


定時に終勤、ロッカールームへ行くとわたしが入るなり、女の子達がちょっとザワついた。


「へぇ…。あの子?」


「営業の下村係長と総務の榎本さん、股がけしてるらしいよ~」


「ゲスッ。可愛かったら許されんの?」


「なんか監察動かしてるってぇ」


「え?なんで、なんで?」


「よくわかんないけど…」


さすが女子、正しいか正しくないかは別として情報が早い。


あながち間違ってもいないからわたしは何も言えずに早々に着替えて、係長の待つ会社の正面へおいとました。


「どうした?」


「えっ?何がですか?」


「さっきまで“早く帰れる”ってニタついてたのに、顔、強張ってるぞ」


「いえ…何でも…」


「どーせろくでもねぇ女の噂話だろ。気にすんな。さて、レバニラだな」


「あの…どうしてもレバーですか?」


「カナ、血色悪いぞ。貧血気味なんじゃねぇの?生理か?」


「生理とか言わないでくださいっ」


「とにかく。しっかり鉄分補給しろ。サプリメントはやめとけよ、胃が痛くなるから」


「胃?」


「それでなくてもストレスでズタポロだろ」


噂話、鉄分、胃。


わたしは何も言ってないのに、係長は何でもお見通し。
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