死神さん

「私があなたを生き返らしてあげる」

彼女はそういってゆっくり後ろに手をまわし何かを取り出した
それは大きいL字型のなにか、長い部分は金属製のもので持ち手には木材が使われており中には刺繍があしらわれていた
先にはよくみえないけどカラスのくちばしみたいなものがついており差し込んだ光が綺麗に反射していた・・・
ん??待てよこれはどこかで見たことがあるぞ?・・・たしか
一瞬の出来事だった・・・彼女はそれを俺めがけてふりかざした

「うわぁ!!」

「・・・ちっ」

間一髪カラスのくちばしは床に突き刺さった・・・え?今、舌打ちした??

「うーん緊張しちゃったのかな??大丈夫よいたくないから・・・さあもう一回」

「いやいや!!それあからまさにまずいやつでしょ!!・・・死んじゃう死んじゃうよ??そんなもの人に向けってふったら・・・だってそれ絶対命刈り取っちゃう系のやつしょ!!」

すると彼女はまた笑顔で
「そんなことはないわ、言ったじゃない私が生き返らしてあげるって」
・・・えっいやそうですけどそれはなにかの比喩かと

「いやいやだって床にあなあいてますよ!!
あたったら即死ですよ!!」

「い・い・か・ら」
また彼女は鎌(あっいっちゃった)を振り回した


俺は頭をひくくして座り込み、今度は頭上すれすれをとおり後ろにあった本棚を真っ二つにした。バラバラになった本がばさばさと落ちる

・・・うっはぁーーー

あまりの光景に空いた口がふさがらなかった



「ねぇあなた人生をやり直してみたいとは思うでしょ?・・・きっと誰もがそんな思いを抱いたことがあるわ。でもだれも実現できない・・・だけどいまのあなたならできるなぜならあたしがいるから」

「でも俺べつに死にたいとおもってるわけじゃないし・・・」

「どうせ今のあなたの死んだような目じゃ生きたってろくな目にあわないわ。私が浄化して新しい魂に生まれ変わらせてあげる」
・・・笑顔で結構ひどいことをいう


「い・・・いや結構です」

その返事を聴くと彼女はそれまでしてた微笑みをやめた

そしてくるりとこちらに背を向け、自らの手荷物を漁り始めた

諦めてくれたのか?・・・
壁によりかかりほっと一息をつく
何かすごい死神だ・・・(断言しちゃう)
本人からは聞いてないけど行動と言動からしてたぶん間違いないだろう。
へーいるんだへーーー

ふと気が緩み視線が揺らいだ・・・
たまたま机の上にあったヤスハルの写真が目に入った
・・・そうだ死神なら聞かなきゃいけないことがある
そうおもい目線を戻そうとした瞬間
目の前に黒い影が通り過ぎた
当然そちらを見る・・・
黒い取っ手に先はとがれたセラミック銅
・・・うんっナイフだね

「ちくしょうっなんでもありかよ!!」
視線を彼女に戻す
なんと今の彼女は頭にはクレストヘルムを被り
手足には手甲と膝あて
上半身と腰は鎧で包み
腰にはナイフがあと二・三個とえ?あれ?もしかしてハンドガン?
それよりなによりも驚くことに彼女は鎌を二つ持っていた・・・

「すっげぇーーー!!フルアーマーじゃん!!」
・・・思わず興奮してしまった
ってちがうちがうそうじゃない

「諦めてなかったのか!!」

「え??そんなわけないじゃない」

「そんな」

「お願いよ!!・・・いま冥界はピンチなの!!」
・・・えっなんの話??
彼女は両手の鎌を振り回しはじめた・・・凄いな!!

「少子化と医療技術の向上のせいで魂の循環が悪すぎていまや冥界は大不況よ!!」
・・・いや、俺関係ねぇよ!!
意外だが彼女はかなりカスタマイズされたが、基本的には鎌を振るという攻撃しかしてこず、そのスピードは結構遅い、タイミングさえ合わせれば意外とかわせる

さっきまでの優しい微笑みとは違い、今の彼女は鬼の形相に差し迫る勢いである

「だいたい何なのあんたら!!本能のおもむくままに行動しなさいよ!!もっと子作りしなさいよ!!」
・・・いきなりとんでもないことを言い出した

「何なのよ!!□□□□□って目的と結果が矛盾してるわ!!□□□と□□□はなんのためについてるのよ!!
□□と□□□だってそうよ□□なんて使ったって都合のいい女だとおもわれてるってどうして気づかないの!!」
・・・放送禁止ワード連発、、、しかもなんかどろどろしてる
彼女は部屋のありとあらゆる家具を粉砕していく

「財政がわるくなるんならどうして医療開発なんてするの!!」
・・・んーそれはあるかも

彼女は一通り暴れ周り、疲れたのか両手を着き座りこんでしまった・・・

俺は彼女に歩み寄ろうと思った・・・
なんかちょっと前とは全然違う光景だけど
少し前までは俺は彼女に救われていたのだ
・・・・・・そして現在も

「すいません・・・オレにだって人生があるんです」

「私にだって」
彼女は半泣きですがるような目でこちらに言ってきた
「ノルマがあるわ・・・」
・・・いやいやいやそんなんで死にたくねぇよ!!



「ズボッ」
迂闊だった・・・
さっき死神が床にあけた穴に足を突っ込んでしまった
・・・その瞬間半泣きだった死神の表情が一気に微笑みへと変貌した
・・・うんあなたにはそれが一番良く似合う
目の前が暗くなった











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