【短】矢田くんはヒーロー。
優しく私に話しかけながらモール内のベンチに座らせてくれる北野くん。
その優しさに少し心が染みる。
「俺、飲み物とか買ってくるから。絶対にここ離れないで」
そう言った北野くんは、ダッシュでこの場を去った。
私は一人ベンチに座りながらさっきの光景を思い出す。
矢田くん、桜井さんと付き合ってるのかなあ…。
ニ人の仲よさげな反応からして、そうだとしか思いざるを得ない。
「…敵うわけないじゃん、桜井さんなんか」
学年一かわいい、あの桜井さんに。
勝てる自信なんか一つもない。