こんな私が、恋したみたいです。
「やばい?」



聞くまでもない、やばいのはわかる。



「大丈夫だよ。ちょっとここで待っててね」



そう言ってにっこり笑って、立ち上がっていなくなった。




空いた目の前の席。



こんなに、ガランとしてる。



私も携帯を出す。



『りっくんどこ?』
『先輩めっちゃ怒ってるよ!』
『りっちゃん!!!』
『いっしょに帰ってんなら早く連れてきて!!』
『りっくんが怒られんだよ!なに考えてんの!』



あやのから、そう、連発されてる。



おかしいじゃん。部活休みって言ったの、あやのじゃん。



『オフじゃなかったの?そうあやのが言ったんだよ』



一言だけ返した。



ムカつく。本当に、本当に。



都合のいい時にだけ使われる。すぐにポイって捨てられて、また拾われて。



捨てられるたびに悲しんで、拾われるたびに喜んで。



おもちゃみたい。私。



やっぱり、自分がどうであれ、りっくんに迷惑かけるのがいけなかった。



明日ボコボコにされるかもしれない。危害が加わるのはりっくんなのに。



何、それらしいこと言われて調子に乗ってんだろ。




馬鹿みたい。ロクなこと、ない。



私にも、りっくんにも。



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