火恋 ~ひれん~
バス通勤の野乃ちゃんに合わせ、10時48分のバスに間に合うよう切り上げて店を出た。
近くのバス停まで彼女を送り、そこからマウンテンバイクを引く牧野君とてくてく歩く。
「・・・なんか普通に歩いて帰るの久しぶりかな。気が付くと小走りになっちゃうの」
わたしは少しおどけて笑った。
「みんなに心配かけちゃって、しょうがないわよね」
「・・・織江さんのせいじゃないスから」
「ありがと牧野君」
細身でひょろりとした、もやしっ子な印象だけれど重い荷物も軽々と持ち上げるし。男の子なんだな、とお母さんみたいな気持ちになっていた。
「明日、織江さん休みっすよね」
「あ、うん。ボードに全部書いて来たから宜しく」
「じゃあ・・・お休みなさいっス」
「お休みなさい、気を付けて帰って」
アパートの前まで送ってもらい、来た道を今度はマウンテンバイクに跨って走り去ってく彼を見送る。
外階段を早足で昇り、周囲を気にしながら玄関ドアに鍵を差し込んだ時。それに気付いた。
煙草の吸殻が落ちている。残された長さからすると、短い時間吸ってすぐ揉み消されたような。そしてこの海外の銘柄。
彼がいた。・・・直感でそう思った。
近くのバス停まで彼女を送り、そこからマウンテンバイクを引く牧野君とてくてく歩く。
「・・・なんか普通に歩いて帰るの久しぶりかな。気が付くと小走りになっちゃうの」
わたしは少しおどけて笑った。
「みんなに心配かけちゃって、しょうがないわよね」
「・・・織江さんのせいじゃないスから」
「ありがと牧野君」
細身でひょろりとした、もやしっ子な印象だけれど重い荷物も軽々と持ち上げるし。男の子なんだな、とお母さんみたいな気持ちになっていた。
「明日、織江さん休みっすよね」
「あ、うん。ボードに全部書いて来たから宜しく」
「じゃあ・・・お休みなさいっス」
「お休みなさい、気を付けて帰って」
アパートの前まで送ってもらい、来た道を今度はマウンテンバイクに跨って走り去ってく彼を見送る。
外階段を早足で昇り、周囲を気にしながら玄関ドアに鍵を差し込んだ時。それに気付いた。
煙草の吸殻が落ちている。残された長さからすると、短い時間吸ってすぐ揉み消されたような。そしてこの海外の銘柄。
彼がいた。・・・直感でそう思った。